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知識の杜

「心臓リハビリテーション指導士」とは?

2000年に日本心臓リハビリテーション学会が心臓リハビリテーション指導士認定制度を発足

 

心臓病や血管病などの循環器病に対する包括的リハビリは、医師のみならず、色々な専門職が協働で行う必要があります。これらの心臓リハビリテーションに係わる職種には心臓リハビリテーションに関する共通の知識と技術が要求されます。そのため、多職種による包括的心臓リハビリテーションを円滑に行うため、2000年に日本心臓リハビリテーション学会が心臓リハビリテーション指導士認定制度を発足させました。

 

合格者は地域の医療施設、行政機関、教育研究機関などで循環器病のリハビリテーションや研究に従事

 

認定を受けるためには、医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技師、臨床心理士、公認心理師、作業療法士、あるいは健康運動指導士のいずれかの資格を有し、加えて1年以上の実地経験が必要です。さらに職種に関係なく全員が共通の筆記試験に合格しなければなりません。従って合格率は他の学術団体が行っている認定試験の中でももっとも難しい試験の一つとなっています。合格者は地域の医療施設、行政機関、教育研究機関などで循環器病のリハビリテーションや研究に従事しています。

心臓リハビリテーション指導士資格の取得者数は2021年で6500名を超え、毎年増加を続けています。さらに2015年からは心臓リハビリテーション認定医・上級指導士認定制度が発足しており、複数存在する医療関連資格の中でも発展を遂げた資格制度の一つと言えるでしょう。

他方、心臓リハビリテーション指導士の最も多くを占める職種は理学療法士で約3,000名おりますが、日本の国家資格を有している理学療法士のうち、日本理学療法士協会への入会者が約13万人ですので、理学療法士全体の2%に限られた認定資格とも言えます。したがって、一般のリハビリ施設では心臓リハビリテーション指導士が貴方の運動療法を担当する事は決して多いとは言えません。

 

Tele-MedEx Clubは、心臓リハビリテーション指導士が運動プログラムの管理や運動指導を担っています

 

Tele-MedEx Clubは「医療」ではありませんが、心臓リハビリテーション指導士が運動プログラムの管理や運動指導を担っておりますので、運動心臓病学、運動生理学、栄養学、臨床心理学などの専門知識を有した専門職の指導のもと運動プログラムに参加することが出来ます。お近くに心臓リハビリテーション指導士の在籍している病院、クリニックがない方で、主治医から維持期心臓リハビリテーションを勧められている方は勿論、健診などで運動不足を指摘された方もお気軽にご利用ください。

2021年12月
日本遠隔運動療法協会(JARET)