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知識の杜

「運動処方せん」はどこで出してもらえる?

「運動処方せん」とは

メタボの解消や健康維持増進など、生活習慣病や運動が予防や病気の予防や治療をするために運動をする上で必要なものです。全く健康な若年者(例えば30歳未満の男性や40歳未満の女性で症状がなく検診で何も指摘されていない方など)は不要ですが、ほとんどの中高年では一見健康そうでもすでに動脈硬化を始めとする生活習慣病が始まっていることがほとんどなので、運動療法を開始したり継続したりする上では必須です。
運動処方せんは、それぞれの人の運動の目的や体力、疾患に合わせて、運動の種類や強さ1回の継続時間や週に何回かなどの頻度が記載されます。併せてその方特有の注意事項なども書かれています。(運動処方せんの例)
また、一度、運動処方せんを出してもらった後にも、年齢の影響、体調の変化、持病の経過、お薬の内服状況などが変化しますので、その都度最適な内容に更新するためにも、定期的に出してもらうことをお勧めします。

 

「運動処方せん」はどこでもらえる?

運動処方せんは、薬の処方せんと同じように医師によって作成されます。日本医師会認定健康スポーツ医(http://nintei.med.or.jp/sportsdoctor/)や日本心臓リハビリテーション学会認定医・心臓リハビリテーション指導士資格を持つ運動生理学に明るい医師が在籍して、運動負荷試験ができる施設でしか発行してもらえませんので残念ながら、そう多くはありません。Tele-MedEx Club協力医療施設で発行してもらえることが多いのでお問い合わせ下さい。また東京体育館健康体力相談室などの公共の施設でも発行してもらえる場合もあります。インターネットで「運動処方外来」や「心臓リハビリテーション外来」といったキーワードで調べると良いでしょう。

 

「運動処方せん」のための検査

まず、運動の目的や現在の身体の状態などをしっかり医師に伝えて下さい。それらに加え年齢や診察の結果を踏まえて、医師は必要な検査を行います。例えば血液検査や胸部レントゲン心電図、呼吸機能検査、心肺運動負荷試験などです。心臓病が疑われた場合などは超音波検査や24時間ホルター心電図検査なども行うかも知れません。検診の結果や直近の心電図・レントゲンなどを持参すれば、代用する場合もあります。
「心肺運動負荷試験」とは、固定式自転車(サイクルエルゴメータ)やベルトコンベア(トレッドミル)などを使って運動し、心電図、血圧、酸素飽和度、呼気ガスを分析して酸素摂取量や二酸化炭素排泄量を測定し、運動中の呼吸・循環・エネルギー代謝を測定して、安全で効果的な運動の強さを決める検査です。
心血管病など運動療法が必要な病気をお持ちの場合は健康保険が使える場合がありますので、料金などは受診する医療機関に詳細は直接お問い合わせ下さい。
Tele-MedEx Clubでは、健康運動指導士や心臓リハビリテーション指導士など、医師の発行した「運動処方せん」の内容を理解し、それに従ったアドバイスができる運動療法のプロが指導しています。

 

→「運動処方せん」の例
→「運動処方せん」はどこでもらえる? 協力医療機関

2021年12月
日本遠隔運動療法協会(JARET)